『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のジュリアス・オナー監督によれば、マーベルは反逆者レッド・ハルクを予告編で公開せざるを得なかったという。ファンからは「劇場でのサプライズ演出が台無しになった」と批判の声が上がっている。
ハリソン・フォード演じるサディアス・"サンダーボルト"・ロス大統領の狂暴な別人格レッド・ハルクは、ロスがガンマエネルギーによる怒りを抑え続ける長い展開を経て、クライマックスでようやく姿を現す。
『ブレイブ・ニュー・ワールド』が「MCUの凡作」と広く酷評される中、予告編でレッド・ハルクを披露したことがサプライズを毀損しただけでなく、同キャラクターの映画内での役割を過大評価させたとの指摘が相次いでいる。
オナー監督は、マーベルがレッド・ハルク公開を選択した背景について「情報流出が避けられなかった」と説明。「ハリソン・フォードがサディアス・ロスを演じ、MCUほど大規模で熱心なファンベースを持つ作品の場合、秘密を保持するのはほぼ不可能」とエンパイア誌に語った。
「理想を言えば劇場でお披露目したかったが、現実的ではなかった。おもちゃが流出するか、予告編がリークされるのが目に見えている。現代において完全な秘密保持は極めて困難だ」と釈明した。
マーベル作品は確かに絶え間ないリーク圧力に直面し(おもちゃなどの商品が伏線を台無しにすることも多い)、レッド・ハルク公開の決断には議論の余地がある。他のマーベル作品では悪役のサプライズ公開に成功した前例があるためだ。
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例えば近々公開予定の『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップ』では、予告編が巨大な敵ギャラクタスの存在をほのめかしつつ、完全な姿は劇場用に温存している。
とはいえ、ギャラクタスの完全な姿はSnappleのプロモーションという意外な経路でリーク。別の未公開キャラクターもファンコ・ポップおもちゃで流出した。だがこれらのリークは限定的な影響範囲に留まる。大多数のファンにとって公式予告編が期待値を形作るのだ。
多くのマーベルファンは、レッド・ハルクを予告編でふんだんに見せたことが、作品の盛り上がり不足を補おうとした施策だと感じている。
今後について、キャプテン・アメリカは『サンダーボルツ*/ニュー・アベンジャーズ』を経て『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』に登場。サム・ウィルソンが魔改造したマーベル看板チームの結成が描かれる予定だ。